書籍
2007年03月18日
活字浴
くそ忙しかった年末の反動でひたすら読書の日々です。衛星関係も使えるネタが殆んど無くなってしまったし、5月のコミティアに向けての仕込みもあるしということで、本棚がひたすら太っていきます。
特に当たりだったのが「誕生 国産スパイ衛星 独自情報網と日米同盟」。タイトル通り情報収集衛星に関するドキュメンタリーです。こういう本が出ていたのかという驚きと、中で様々な証言をしているのが政府関係者ということで二度驚き。
テポドンショックを契機に政治家、官僚がいかにして情報収集衛星を保有するのにいたったのか。読んで見ると興味深い事柄があちらこちらにあり、今までの情報収集衛星のイメージがずいぶんと変わりました。
まず、衛星の取得のキッカケになったのは、テポドンショックと、もうひとつ、米国への不信感があったこと。米国は当初、日本が独自に衛星を持つと言い出した意図を理解できず、彼らなりに”落としどころ”を模索していたこと。衛星取得に動いたのは外務省や内調で、防衛庁はその動きに冷ややかだったこと。我等が石破(旧)長官は、更に静止軌道に早期警戒衛星を配備すべきだとの主張をしていたことなども興味深いところ。
これまで情報の取得を米国に依存していたことへの危機感が衛星取得への原動力として働き、さらに他国の干渉を避けるために高コストでも国産衛星開発の道を選んだというのは個人的には評価できるものです(たとえそれがダメ衛星であっても)。実際にはそのことで宇宙開発自体がグダグダになってしまうのだけど、それとこれとはまた別の問題でしょう。
日本が偵察衛星を自国で持つことも意味、またこれまで米国から購入(依存)してきたことへの危うさ。偵察衛星というカテゴリーはマニアの間でも殆んど触れられないカテゴリー故、自分なりの見識を持っていない人が殆んどだと思います。今後のニュースを楽しく理解する一助として、宇宙者問わず押さえておきたい一冊です。
2006年05月14日
たまには本の話など
コミティアが終わったあともなんだかんだで忙しく、部屋の中などはコミティアの修羅場のままなのですが、それでも本を読む余裕などは出てきました。タイトルを見て思わず手に取ってしまった「B‐29対日本陸軍戦闘機 」、なかなかに興味深いです。
ボーイングB-29。”戦場まんがシリーズ”を読んで育った世代としては、直接の関係はなくとも、なんというかこうトラウマというか、モヤモヤする存在であります。B29による本土空襲というと
「へっへっへ、今夜もJAPを十万人くらい天ぷらにしてやったぜ」
みたいなイメージが(個人的には)強いのですが、現実には勿論そんなことは無くて、防御火器を全て下ろしたり、昼間に中高度で攻撃をかけた上に日本戦闘機の空対空特攻に晒されたり、脱出しても現地住民に殺されたりと決してお気楽な作戦行でなかったことが分かってくる。
今の日本では本土空襲関連の書籍というと、戦時中に空襲の中を逃げ惑って幼少期を過ごした方々の記録というのが殆んどで、当時防空隊や防火隊に所属して空襲と戦ったという方の記録というのはかなりマイナーな部類でしょう。
それが更に空襲する側からの記録で、それなりに読みやすい形でまとめられている本というのは、なにげに珍しいです。
半世紀前、自分の住んでいた町の上空で行われた戦いの記録は、ミリ屋でなくとも抑えておきたいところ。
以前、衛星本の製作時に本土防空戦について調べてた事があって(結局ボツ)、・・・もっと早く買っときゃよかったなコレ。